こんなに良いお話とは知らず、気軽な気持ちで読み始めてしまったのが運の尽き。続きが気になって読むのが止められずまんまと徹夜させられてしまいました。最後には、色んな気持ちが溢れてきて泣いてしまいました。
巻数は4巻とそれほど多くないのに、その
中に面白さがギュッと詰められていて一話一話に目が離せない気持ちでのめり込んでいました。
最初は不思議なイケメン二人に出会った美女…という図にドキドキしながら、この二人の正体は?!これからどんな風に恋愛を?!なんて、ありがちなトキメキ少女漫画な展開しか妄想できなかった自分がむしろ恥ずかしいです。
すごく夢のある題材だけれど、綺麗事は一切描かれず凄くリアルな物語でした。こうだったらいいのにな、と誰しも一度は見たかもしれない夢のような物語。なのに、読み終わると、そうでない平凡な日常がどれだけ幸せなものなのかを実感させられます。
どんな生涯を終えれば幸せだったと言えるのだろう。作中のセリフ通り、自分がこれでよかったのだと、少しでも幸せに思えることがあったならそれで良い…と、思えることこそが理想なのではないかと共感し、考えさせられました。
ラストでは涙し、きっと彼らはそれぞれに自分の生涯を幸せだと思えたのだろうな。と思えて心が温まるのと同時に、説明しようのない寂しさが心に広がりました。
良かったのに、この形しかありえないのに、この形で終わって一番良かったと思えるのに。それでも、寂しいと思ってしまうのは贅沢な思考なのかな、とか。本当に物語に入り込んで、色々と考えることができました。
少しでも、想像する以上に彼らが、自身の人生に幸福を感じているといいなと祈ってしまいます。
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