初めは嫌なひとだと、よく知りもしないで、と思いました。
金持ちにはあるかもしれない、自分だけの価値観で手前勝手な判断をしたがる人間に思えました。
本人のせいとばかりにいえないことを、正しくない報告書のせいもあるとはいえ思い込みで言わ
れて、流れから見て彼がこの話のヒロインの相手であることに当方は不足感を抱えつづけさせられたまま、相変わらず本人頑張り続けます。
それは意地もあったとは思うけれど、いつの間にか彼の気持ちが表れでるようなシーンが出てくる。
もうヒロインはあんな見方をされた(?)男に完全に落ちてしまったなというとき、頑張り屋の彼女をがっかりさせることが。無理もありません。なんだか、自分を過小評価されたか、信じてくれなかったか、ひとのお情けでやってこれただけだったのか。そのくやしさ、自然です。
でも、ヒロインのことを、とても支えてくれる素晴らしい友人たちでもある仕事仲間の存在には泣かされますし、この友人たちの存在あればこそ、彼のサポートは純粋なものからだったことを信じるに足る訳です、冒頭の嫌なやつという人物像を忘れるほど。
これは、セレブに見出されるただラッキーな女性の話ではないです。
日夜奮闘する女性の、愛と友情と根性(!)のお話と感じます。
そして、そこが、このHQのクオリティを作り出していると思います。
周りの人間には、イヤな人物がそれなりにはいるわけですが、それに負けない、いい人たちの存在があり、その人たちが二人の愛の素敵な応援者であることが美しい物語を見届けさせてもらった、との読後感をもたらしてくれます。
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