勘違いされたのをいいことに、そのまま屋敷の大家であることを告げずに、館で子ども二人と、堅物でウザイけれども子ども達のいい叔父さんの三人で過ごす日々。ヒロインとその子ども達のおじとの、互いにひかれてしまってどうしようもない状況で、必死に自分を
押し殺そうとする様子が第1巻で楽しめた。駄目なのに、許されないのに、と思いつつも燻る、というのは良くできていたが、2巻目に焦点が変化するため、そういうもどかしさが消えて、少々残念、なんとなく、そう来ちゃうか、という方向転換。スリルってそこに物語的必然を感じない、と思わなくもない。別の弾みのついた展開に収まっていく。そこまで危ない奴なのに、かつては、というのがいまいち筋立てとしては強引さを感じるのだ。
それでも、変にお堅くてキツい、ドライで俗物過ぎるお姉さまの現金なところが、お話的に分かりやすくて、物語を巧みに味付け。身分を隠していたヒロインの行動へのリアクションが良く、なかなかの役者で話を賑わしてくれる。 ヒロインの正体を知ったときなど、コミックならではの楽しさだ。 話は後半思わぬ進みかたをする。
私はハリーお兄様が好きだったので、リゼットとのシーンはもう少しあやを見せて欲しかった。
レビューはさきにセットの方に書いていたが、偶々(1)のほうを目にしたので、これを機に個別レビューにも入れておいた。
もっとみる▼