よくできたお話です!
まず言えるのは、恋愛だけ楽しむ話ではないということです。
漫画家の葛藤と、編集と作家の力関係がとにかくリアル。個人的な経験談ですが、まさにこの空気感です。編集からネームの連絡が来なくてやきもきしたり、ちょっと
優しい言葉をかけられただけで舞い上がってしまったり。
作者は担当編集に恋をした経験があるのでは、というくらい2人の距離感がよく描かれていると思います。
ビジネスライクな擬似恋愛的状況からはじまる冷たい関係は、胃が痛くなるほど真に迫ってますし、そもそも作家と編集が色恋を口に出すことはタブーですから、なんとかお互いの気持ちを見てみぬフリしようとして、見ぬフリできずに関係を持ってしまった後の戸惑いや距離感があり得そうです。
某少年漫画の漫画家サクセスストーリーよりよっぽどリアルな作家の葛藤が描かれているし、近年の薄っぺらい恋愛漫画よりよほど面白かったです!
このリアルさが故に、ドリームを感じられないのかもしれませんが、よく練られたネームと、無駄のない構成で描かれた、この作家さんの会心作だと思います。
面白かったので、単行本を買って手元に置いています。続編が読みたい!!
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