10年前に行方不明の甥をさがしだす父娘。娘の従兄はその地区一の強い部族で、生き残る為には誰よりもその部族の者にならなければいけない定めだった。6歳で、海外の治安の悪い後進国においてけぼりになって10年……その年月は少年,しゅうせいが、地元民
のシャン・パ・ルーという戦士になるのには、想像を絶する苦労、葛藤があったろう。折角彼は幸せに暮らせていたのに、叔父従妹が探しにきたから彼の人生が変わってしまう。いろいろ周りのよからぬ画策でフィアンセの兄を殺さざるを得ず、それによるフィアンセとの別れ、全て彼らが探しにさえこなければ、としゅうせいの気持ちはそんな考えがよぎらなかったのか?でも、彼の『探しに来てくれてうれしかった』は真実だったろう。ラストは日本に帰国せず、長老と一族を出た彼は16歳の子どもじゃない、立派な大人の男の選択だと思う。樹なつみ作品、大好きで、少女マンガとは違う作品で、これは青年誌で連載されたから興味もちました。当時は少女マンガの規制いろいろ厳しかったらしいので、楽しみにしてました。ラストの章はちょっとバアバタ感がありますが、人間のドロドロした部分が上手く表現されています。青年誌もいけてます。やはり、人間関係は秀逸だと思います。
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