2編入っていて、どちらも苦しいです。でも、その苦しさにすっかりはまっています。
彼らの抱える「闇」の部分が、育ち、病的、嗜好によるものであっても、あるいは「愛するがゆえ」と言われたとしても、共通項としては、「人が内包しえるもの」だなぁと思
うのです。その部分て、おいそれと表に出せないものでありながら、自分では持て余すことがあって、こうして、フィクションとして人の闇に触れられること、あるいは自分の闇を投影できることは、一種の救いのように感じます。
前置きが長くなってしまいましたが、表題作は少し特殊な設定です。それでも、その痛々しい精神世界に浸ることができます。そこからの、アフターストーリーがとても良かったです。そうそう、その人と上手くいかなかったということは、他の人と出会う流れがあったんだよって思えます。未来を感じられるバーテンさんの想いが最高。ガンバ!
2編目はめちゃくちゃしんどかったです。居場所を見つけたはずなのに、心は捕らわれたまま…。共にいる2人の心は同じ場所にない。どこに救いを見出せばいいんだろう。どうして離れることができないんだろう。誰にも理解しえないものを持つ人たちがいる。3人の視点から語られる物語が、切なくもあり恐ろしくもあり悲しくもあり、この答えのない闇を淵に立って眺めている感覚がたまらないです。愚かだ…なんて笑えない…。はぁ、本当にヒロ先生の世界に惹かれます。
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