10作入り短編集。
・『砂浜の家』1ヶ月前に妻を亡くした作家の青年。どことなく現実味が無い浮遊感、励ましに来る友人達の喧騒、妻との優しい思い出。とても切ない。星5つ。
・『トマト』トマトが大好物なスリラー作家、ふと入り込んだ愛好会。なん
となくトマト尽くしで進む、変な幽霊話。星4つ。
・『月』『ブリッジ』医者の主人公と、その患者。近代ヨーロッパ貴族の雰囲気が良い。『月』は少し不思議で『ブリッジ』はコミカルな、軽めのBL。
・『くされ縁』良い家柄のチャールズと、素行の悪いエドナー。ずっと心の底に沈んでいるような、本人にもはっきりしないであろう相手への複雑な心情と罪。星5つ。
・『TATAMI』日本に凝ってる友人の異文化コメディーショート。JUNE掲載作なのでそれっぽい要素もねじ込まれてます。
・『エレファントマン・ライフ』失業中で主夫生活を送る主人公、隣に越して来たのはゾウの二人組。日常に突然訪れるファンタジーと、「自分」を取り戻す話。
・『ペキニーズ』アフリカ奥地で動物の生態を調べている男所帯のチームの、隣に訪れたのはちょっと変わった北京から来た女性。わちゃっとした日常。
・『タマリンド水』身ぐるみ剥がれた旅行者の主人公、助けてもらった言葉の通じない村でののんびりとした生活。いつかまたあの村に行ける日は来るのか、少し胸が苦しくなる話。星4つ。
・『奥様お手をどうぞ』天真爛漫な裕福な奥様と、振り回される詐欺師の男のコメディー。なんか楽しい。星4つ。
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