「青野赤原」「七花八裂」「以水投石」「白兎赤烏」「わらわべ雀」
の5つの短編からなります。
全編通して、室町幕府6代将軍、足利義教の頃の鎌倉方を主に描いています。最後だけが江戸時代で、他4話と違ってほんわかとした話です。
鎌倉公方って
歴史の中ではわりとマイナーな方に入るので、よくぞ描いてくれた!て思います。永享の乱(以水投石)とか結城合戦(白兎赤烏)とか、ちゃんと日本史勉強した人でないと知らないと思います。私も単語しか知らなくてどんな出来事だっけ、と改めて調べ直した次第です。
1話ごとの読み切りですが、全編通すと歴史としてつながるのは見事。読後に歴史を調べることをお勧めします。より深く味わえます。
切ない...というのか、容赦の無い時代だったのだな、と涙が出てきます。周囲に翻弄され、担ぎ上げられ、そのあげく無実でありながら状況的に生かしておくわけにはいかなかった。そんな人がたくさん出てきます。
にもかかわらず星を減らした理由は、同じ顔に見えてきてしまうこと。1話ごとならいいのですが、4話全部通してみると髪型のせいか顔が識別できなくなってしまう...いい話なのに。
でも一読の価値はある話です。
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