ネットの上で知り合った人が実は身近に居た、という設定はウンザリするほどあるけれど、これは真逆。現実に居る人をネットのほうに出掛けて探しに行く。その空間に行く人だと判ってから。
やはり手垢の付いたストーリーではないひとひねり。しかも、正体突
き止めたか、と思いきやのー。
学校空間とネット空間の登場人物の出会い密度が、不自然な印象はある。
ああした画面特有の線を再現しての輪郭のキャラを描き出し、コミュニティを創作し、様々なアイテムや内輪の様子を生き生き見せる、くらもち先生って本当になんだかプロデューサーみたい。
ただ、分かり易さや親しみ易さは若干遠のいた。
特に、キャラが、リアルとネット内と二重で、かつネット上の変化等が、読み手の理解の進行を惑わすのだ。
特に、作者特有の、最期まで判らせない、また、煙に巻く要素、更に不明快を拡げる。
そちらの世界にのめり込み、仮想か現実か、キャラ達の出入りと、漫画の見せ方の行ったり来たりが、絵の違いでは判るのだけれど、前半のように、主人公がパソコン画面を前にその「ハピランド」に入ってみるみたいな絵があったときの方が、作品世界に入れたかも。
よくお芝居の世界の人は、主役を食う、とか、食われる、とか、そんな事を気にする言い方があるが、まさに、本作品は誰かのアバターや自分のアバター、なりすましアバターに食われて、ストーリーも食われたみたいになったような感じがした。
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