出世の為だけに砂漠の国へ来たサラ。男に負けじと強気姿勢は認めるが、下調べも覚悟も不足していたようだ。絶体絶命の銃撃戦を潜り抜けた後に タリクに対して「冷たい」という愚かさは目に余る。タリクのおかげで巻き込まれることになったのは否めないが、そ
れでもタリクのおかげで助かっている事実を自覚するべきだと思う。2人に差し迫る危機は「復讐」という悪意を孕んで差し迫る。どこまで逃げても味方は見つからず絶望する2人の状況は、暗く冷えた空気に砂ぼこりの臭いと流血の臭いの臨場感があってハラハラする。他に有るシーク物のHQに欠けている砂漠の民の背景を見た気がするのは私だけだろうか。やっと現れた助け手により休息を得て そこから急に空気に甘さが漂いHQらしく展開か、と思いきや物語は佳境へ。青年漫画並みの作画が異質ではあるけれど、ツボはしっかり押さえられていて良いクライマックスとなっていた。しかし、作品の紹介にあるような、タリクに精悍さはあまり感じられず、幼ささえ感じるキャラになっている気がする。精神的、体力的には強靭だが。実直なロマンスになっていたけれど怖かった。
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