勃起不全のために妻を娶らず、五十五歳まで童貞だった伊勢新九郎。風魔の秘薬で勢いをつけると一晩に五人の女を三回ずつ失神させるド派手な初体験。新九郎はそれ以来、凄まじい性欲と征服欲を燃え上がらせた。血統の良い女子を求め、北条氏の末裔や鎌倉執権の末裔も手に入れる。五十九歳で出家し、早雲伊勢宗瑞と名を改め、天下を狙った。相模国に進撃したのは、八十一歳の時。歯も抜けず、足腰も弱ることなく、精力絶倫で、三年掛けて三浦一族を滅ぼした。関東制覇を呼号し、志半ばに倒れたが、享年八十八歳。驚異的な長寿と性豪ぶりを発揮したのである。(北条早雲と呼ばれたのは、死んだ後なんだって)