BLアンソロジーのオペラで連載を読み、そこから注目し始めた作家さん。故に購入。
各々好みはあると思いますが、個人的に見やすくてタッチが暖かく、好きな絵柄です。特に笑顔のカットはどのキャラも大変かわいい。なんというか、母性本能にキます。
こちらは短編集です。表題作は始めの四本。ゲイやストレートなど性の垣根を超えて、恋愛の本質を教えてくれる良作と思います。腐的に萌える漫画というより、人間が持つ優しい感情をちくちくと刺激されて、切ないけれどしかし、やはりそこに落ち着く、というミニシアターぽい漫画です。アンスイートですが、読後感は良。ほっこりします。恋に恋する青い頃はもう過ぎた、という年齢の方にお勧めしたいな、個人的に。
表題作含め、どの話も特別なものではく、寧ろ日常を切り取ったものなのですが、そんな日常で感じる違和感や疎外感を丁寧に汲み取り、大切に描いている、という印象です。だから切なさが胸に響いてくるのだと思います。報われない展開の話もありますが、どれも白黒ハッキリで救われない…ではなくてグレーな終わり方なので(それがまた切ないのですが)、そこに希望を見出すことは出来るかも。ハピエンだけが見たい!とにかく萌えたい!エロ大好き!な方には中途半端かもしれない。でも、読んで損はしないと思います。たぶん。
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