心―直観や錯覚―にまつわるパラドクス。それが本書のモチーフです。哲学や科学の有名な諸問題をリンク付けて体系化した問題集という点では前著「論理パラドクス」「論理サバイバル」と同じですが、視点というか、出題方法が異なっています。パラドクスの解決を読者に直接求めた「論パラ」「論サバ」に対し、本書では、解決以前の「問題の成り立ち」をたびたび問いかけました。つまり、各問題の表題になっている「心の会計簿」「パーキー効果」等々といった学術用語を知る人にとっては知識だけで解ける問題が大半ですが、そうした用語を知らなかった人は、頭を使いながらパラドクスを自ら構成する楽しみを味わえるでしょう。