■かりそめだったはずの愛の誓いが、いつしか本物になることはあるの?■ペネロープは二十六歳という若さで二つの会社を所有している。実際に会社を経営しているのは彼女の叔父だ。ペネロープは結婚しないかぎり四十歳になるまで経営者になれないが、早急に彼女が経営に当たらなければならない事情が生じていた。調査の結果、実業家ステファノを結婚相手に決めたペネロープは、彼に会いに行き、いきなりビジネスとして結婚してほしいと持ちかけた。結婚の交換条件は、彼女の会社の一つを底値で彼に売り渡すこと。ステファノは即座に断った。自分は愛ゆえにしか結婚しないと言って。ペネロープは、彼の最大のライバルに話を持っていくと脅す。そうなれば彼は致命的な打撃を受けるから、結婚を承知するはずだ。しかし、そのとき初めてペネロープの心に迷いが生まれた。ステファノがこんなにゴージャスな男性だなんて知らなかったわ。私ははたしてこの結婚をビジネスと割り切れるのかしら?■双子ゆえの取り違えなど楽しめるエピソードもいっぱいの一作をどうぞお楽しみください。