即席ラーメンが発売されて、力道山が英雄で、月光仮面は茶の間に現れ、フラフープが大流行、そして空に向かって東京タワーが少しずつ背を伸ばしていた昭和三十三年。 日々の暮らしはいまほど裕福ではなかったけれど、幸せはみんなのすぐ隣にあった。 西岸良平原作の超ロングセラーコミック『三丁目の夕日』の世界を、『とげ』『かび』『どろ』三部作の作家、山本甲土が小説で再現。映画「ALWAYS 三丁目の夕日」にもつながるノスタルジック&ハートウォーミング・ストーリー。 暮れなずむ下町の夕空に、時代を超えてやさしく降り注ぐ十二篇の心なごむ流星たち。