3・11以後、マスメディアやインターネット上でさまざまなひとたちが「日本」や「日本人」について論じた。私たちは自分が何者で、世界がどんなところなのかを見失っている。はたして「日本人」とは何なのか。これまでの「日本人」のイメージは、すべて西欧社会がつくったものだった。それでも「日本人的なもの」があるとすれば、それはむしろ世間(ムラ社会)ではなく、世俗(神を信じずに功利的に生きる)の方にある。“日本人性”の謎を解くカギは、巷間いわれているような「空気=世間」ではなく、「水=世俗」にこそあるのだ――。