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私の男
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私の男

667pt/733円(税込)

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作品内容

私は腐野花(くさりの・はな)。着慣れない安いスーツを身に纏ってもどこか優雅で惨めで、落ちぶれた貴族のようなこの男の名は淳悟(じゅんご)。私の男、そして私の養父だ。突然、孤児となった十歳の私を、二十五歳の淳悟が引き取り、海のみえる小さな街で私たちは親子となった。物語は、アルバムを逆からめくるように、花の結婚から二人の過去へと遡ってゆく。空虚を抱え、愛に飢えた親子が冒した禁忌、許されない愛と性の日々を、圧倒的な筆力で描く直木賞受賞作。

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  • 私の男

    667pt/733円(税込)

    私は腐野花(くさりの・はな)。着慣れない安いスーツを身に纏ってもどこか優雅で惨めで、落ちぶれた貴族のようなこの男の名は淳悟(じゅんご)。私の男、そして私の養父だ。突然、孤児となった十歳の私を、二十五歳の淳悟が引き取り、海のみえる小さな街で私たちは親子となった。物語は、アルバムを逆からめくるように、花の結婚から二人の過去へと遡ってゆく。空虚を抱え、愛に飢えた親子が冒した禁忌、許されない愛と性の日々を、圧倒的な筆力で描く直木賞受賞作。

レビュー

私の男のレビュー

平均評価:4.5 6件のレビューをみる

最新のレビュー

  • (5.0) 道徳的にはマズイけど
    kikiさん 投稿日:2024/3/18
    殺人、近親相かんなど、道徳的にはマズイテーマの小説ですが、圧倒的な凄みがあって、一気に引き込まれました。

高評価レビュー

  • (5.0) 血の呪い、親の呪い
    【このレビューはネタバレを含みます】 この作品普通に読んだら非道徳的で嫌悪感が沸き上がってきます。ただ読んでいると切なさや幸福感がじわりと感じることもありました…ここに向き合うことがこの作品の奥深さに触れることです。人を選ぶ作品なのは確かですが、私はタブーや嫌悪感を退けて、この奥底にある何かを感じ取りたいと思いました。 淳吾と花の2人が持つ境遇や背景を辿ると、どちらにも共通しているのが本当の愛情を教えてくれなかった親の存在だと思いました。淳吾と花はお互いにお互いを求め合い、それは血の呪いなのか依存していく過程が最後まで読むと意味を理解できます。淳吾は花に母性を求めていましたが、花も我が子のように淳吾を愛しそうに撫でている様子がなんともいえなかったです。父と子、母と子、男と女になった2人、もうぐちゃぐちゃで訳がわからないですが、同じ生命体になりたいと絡み合う2人を見てて嫌悪感はありましたが、心の奥底で恍惚として羨む自分もいました。 ふと、花が大塩さんに引き取られていたら普通の健やかな女の子だったのかなんて考えましたが、血の呪いがそうはさせなかったと思います。2人はこうなる運命のような気がしてならなかったです。 年端のいかない子の秘部を舐めるシーンがとても嫌悪感満載なのですが、その後に花が経血を流すんです。この男はきっと花の子宮に還りたいんじゃないかと個人的には推測しました。母性って包み込む力があるんですよ。男は誰もが求めるものだと思います。交合シーンは確かに思春期の花には特に性欲の芽生えはあったと思いますし、淳吾も花を女として見ていました。でもやはり、2人同じ生命体になってしまいたいという欲がなにより強かったのだと伝わってきました。体液を交換するのが強烈で狂っています。 この作品は五感に訴えるものが多くとても面白かったです。「臭気」は特に強烈で、ほんと紋別の生臭さは嗅いだことある人には分かると思いますが強烈です。読んでいて不思議と匂ってきました。登場人物の肌の質感や色すべてを間近で感じ取れたので世界観にずっしりと入り込みました。 花の女という感じがどうも苦手でした。 小さいのに魔性の女なんです。なんかとてもいやらしくて苦手でした。可愛いけど笑(俺も惚れた) 淳吾は怠そうで掴めないけど、かっこよくて頼もしくなったり、笑顔や奥に秘めた弱さが母性をくすぐったり、この男を産みたいとおもいました(?) 続きを読む▼
  • (5.0) インセストタブー
    脂肪さん 投稿日:2023/6/22
    【このレビューはネタバレを含みます】 話の内容が内容なので、好き嫌いが分かれる話だと思いますが、私は好きです。映画もありますが、映画は過去から現在へと時系列が進んでいくものの、原作のこちらは現在から過去へと話がさかのぼっていくため、読んだときと映画を見たときの感想がだいぶ違うと思います。 どこかべっとりとした、薄暗さを含みつつ、腐野花が少女から大人になっていく話、そして「私の男」から離れていくお話を読んでほしいです。 続きを読む▼
  • (5.0) 禁忌などものともせず。
    461nekoさん 投稿日:2022/8/7
    軽やかで乾いた文体で、この世のタブーなど楽々と蹴り飛ばしているような小説。桜庭一樹という作家の真骨頂がこの作品なんじゃないかと思う。タイトルがすでにイン靡でしょ。どこまでもミステリアスな男、そんな感じで。
  • (5.0) 解決しない
    つばめさん 投稿日:2019/8/29
    親子の物語で、だんだんと時代を遡っていきます。2人が共依存する姿はドロドロですが、2人みたいに必要とし合えるのがいいです。現実的ではないから憧れるのかも知れません。
  • (2.0) 苦手
    にっこさん 投稿日:2015/11/8
    桜庭先生の書く女性がどうも苦手です。その最たるものがこちらの「花」。直木賞受賞作とのことですが、私のような真面目な気質の人間には、どうにも後味の悪い作品でした。

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