ネタバレ・感想あり私の男のレビュー

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道徳的にはマズイけど
2024年3月18日
殺人、近親相かんなど、道徳的にはマズイテーマの小説ですが、圧倒的な凄みがあって、一気に引き込まれました。
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インセストタブー
ネタバレ
2023年6月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ 話の内容が内容なので、好き嫌いが分かれる話だと思いますが、私は好きです。映画もありますが、映画は過去から現在へと時系列が進んでいくものの、原作のこちらは現在から過去へと話がさかのぼっていくため、読んだときと映画を見たときの感想がだいぶ違うと思います。
どこかべっとりとした、薄暗さを含みつつ、腐野花が少女から大人になっていく話、そして「私の男」から離れていくお話を読んでほしいです。
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血の呪い、親の呪い
ネタバレ
2022年9月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ この作品普通に読んだら非道徳的で嫌悪感が沸き上がってきます。ただ読んでいると切なさや幸福感がじわりと感じることもありました…ここに向き合うことがこの作品の奥深さに触れることです。人を選ぶ作品なのは確かですが、私はタブーや嫌悪感を退けて、この奥底にある何かを感じ取りたいと思いました。
淳吾と花の2人が持つ境遇や背景を辿ると、どちらにも共通しているのが本当の愛情を教えてくれなかった親の存在だと思いました。淳吾と花はお互いにお互いを求め合い、それは血の呪いなのか依存していく過程が最後まで読むと意味を理解できます。淳吾は花に母性を求めていましたが、花も我が子のように淳吾を愛しそうに撫でている様子がなんともいえなかったです。父と子、母と子、男と女になった2人、もうぐちゃぐちゃで訳がわからないですが、同じ生命体になりたいと絡み合う2人を見てて嫌悪感はありましたが、心の奥底で恍惚として羨む自分もいました。

ふと、花が大塩さんに引き取られていたら普通の健やかな女の子だったのかなんて考えましたが、血の呪いがそうはさせなかったと思います。2人はこうなる運命のような気がしてならなかったです。

年端のいかない子の秘部を舐めるシーンがとても嫌悪感満載なのですが、その後に花が経血を流すんです。この男はきっと花の子宮に還りたいんじゃないかと個人的には推測しました。母性って包み込む力があるんですよ。男は誰もが求めるものだと思います。交合シーンは確かに思春期の花には特に性欲の芽生えはあったと思いますし、淳吾も花を女として見ていました。でもやはり、2人同じ生命体になってしまいたいという欲がなにより強かったのだと伝わってきました。体液を交換するのが強烈で狂っています。

この作品は五感に訴えるものが多くとても面白かったです。「臭気」は特に強烈で、ほんと紋別の生臭さは嗅いだことある人には分かると思いますが強烈です。読んでいて不思議と匂ってきました。登場人物の肌の質感や色すべてを間近で感じ取れたので世界観にずっしりと入り込みました。

花の女という感じがどうも苦手でした。
小さいのに魔性の女なんです。なんかとてもいやらしくて苦手でした。可愛いけど笑(俺も惚れた)

淳吾は怠そうで掴めないけど、かっこよくて頼もしくなったり、笑顔や奥に秘めた弱さが母性をくすぐったり、この男を産みたいとおもいました(?)
禁忌などものともせず。
2022年8月7日
軽やかで乾いた文体で、この世のタブーなど楽々と蹴り飛ばしているような小説。桜庭一樹という作家の真骨頂がこの作品なんじゃないかと思う。タイトルがすでにイン靡でしょ。どこまでもミステリアスな男、そんな感じで。
解決しない
2019年8月29日
親子の物語で、だんだんと時代を遡っていきます。2人が共依存する姿はドロドロですが、2人みたいに必要とし合えるのがいいです。現実的ではないから憧れるのかも知れません。
違和感が徐々に
2025年4月7日
最初はどんどん遡っていく話の展開に違和感があり、続きや書かれていない期間の話をもっと!と思っていたのですが、読み進めていくうちに更に前、もっと前の話を知りたい!に変わっていった。
不思議な読後感。
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苦手
2015年11月8日
桜庭先生の書く女性がどうも苦手です。その最たるものがこちらの「花」。直木賞受賞作とのことですが、私のような真面目な気質の人間には、どうにも後味の悪い作品でした。
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作家名: 桜庭一樹
出版社: 文藝春秋
雑誌: 文春文庫