3作品で完結てす。まるで丁稚奉公のような奴隷扱いの千雪がかわいそうでけなげで、音楽が取り持ち役となり、明るい世界へと引き上げてくれた世界的指揮者の橘さん。1作めでは出会いから千雪が留学してドイツへ行くまで。2作めはドイツでの作曲家としての試
練と橘さんの過去。3作めはスキャンダルと新世界へ、とざっとこんなかんじ。基本的に甘く守ってくれる橘さんと、作曲の才能は溢れてるのに、主体性に乏しい千雪がだんだんとお互いに対等なパートナーになっていく過程に、盗作疑惑やプロとしての自覚、同性愛発覚での二人の活動の危機などがあり、そのたびに少しずつ成長する千雪が読んでて頼もしかった。彼らのもうひとりの家族の飼い犬のアコールデがちょっとしたアクセントでかわいかった。全体的にふんわりとかわいいかんじで、押しの強いところはなく楽しかったです。単独で読んでも大丈夫そうだけど、3つ全部読むともっと入りこめると思います。
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