米軍が渡嘉敷島に上陸してきた翌日、1945年3月28日の夜のこと。渡嘉敷島の住民たちは日本軍の陣地に集まった。そこで「集団自決」が始まった。当時9歳の田頭澄子さん(80)は、幼なじみの「愛ちゃん」の家族のことが、今も忘れられない。優しかった医師の父親がナタを振り上げ、妻を、そして子供を、次々に手にかけていく。「父ちゃん、殺さないで」と泣き叫ぶ「愛ちゃん」の姿が、今でも田頭さんの脳裏を離れない――。70年の時が過ぎても、今も沖縄の人々を苦しめる「戦世(いくさよ)」の記憶。生き残った人々はいま、何を思い、何を伝えようとしているのか。朝日新聞社が実施した沖縄戦体験者のアンケート回答者などに取材した。※本商品は通常の書籍より文字数の少ないマイクロンテンツです。【文字数:8000文字/単行本換算で11ページ】