新宿駅東口ロータリーわきに飲食店が入るビルが立ち並ぶ。そんな1棟の3階に「新宿武蔵野館」はある。1920(大正9)年開業で、新宿に現存する映画館では最古だ。ある夜、スクリーンに一番近い席に、夕刊を配り終えた「新宿タイガー」こと、朝日新聞新宿東ステーションの原田吉郎さん(67)が座る。ここが定席だ。配達のときと同じ、虎のお面にピンクのかつらをつけ、おびただしい小道具を持つ。本編が始まると、そっとお面とかつらを外す――。キャリア40年を超える新宿の名物新聞配達人、「新宿タイガー」一代記の第2弾。今回は、汲めども尽きぬ新宿の魅力を、娯楽、出会い、癒やしの側面から改めて取り上げます。※本商品は通常の書籍より文字数の少ないマイクロコンテンツです。【文字数:4900文字/単行本換算で7ページ】