新聞記者で水泳指導者としても活動する田畑政治は、幻となったオリンピックを再び東京で開催しようと動き始める。時を同じくして、池田勇人は大蔵省を経て、政治の世界へと身を投じていく。
やがて首相に就任した池田は、東京オリンピック開催準備の政府責任者として、首都大改造、東海道新幹線の建設などを指揮、経済成長を牽引する。
しかし、開催直前、病魔が池田を襲う。一方、東京五輪決定を機に組織委員会事務総長に就任した田畑は、突如湧き起った責任問題で事務総長辞任に追い込まれてしまう。
「記憶に残る大会に」「経済成長に弾みを」……。それぞれの理想を掲げて奔走した二人。そしてついに「この日」は訪れた――。『天佑なり』で新田次郎文学賞を受賞した著者の新たな到達点、合本版で登場!