小説は苦手で、今までほとんど読んでいませんが、
やはり凪良先生は色々な意味で特別です。
軽い気持ちで読み始めたら、嗚咽するほどにずっと泣いて止まらなくなってしまい、元のお話も含めて一気読みしました。しかも何度も繰り返し読んでいます。
DVとかヤクザとかを題材にしたお話は普通、自分とは関係ないどこか違う世界の話だと感じますが、凪良先生が書くと、驚くくらいに身近に感じます。と言うか、加瀬や阿木や里央や知世など、登場人物全てが抱く気持ちに感情移入できるのです。
全方向にいい人も悪人もいない、本当にそれぞれが色々なものを抱えているのだと実感します。
特に加瀬の誰かに必要とされたい抱えきれないほどの欲求や、それでも過去の経験や過ちから感じる恐怖心や後悔から踏み出せない不安は、我々が心の奥で持っているドロドロした部分だと感じました。それを描写されたものを読むときに驚くほど泣きました。
そしてこんなに重い話なのに、最後とても穏やかな幸せな気持ちで迎えられるのも、凪良先生の魅力だと思います。
他の方のレビューにもありましたが、人前で読むのはやめた方が良いと思います。本を読んでこんなに泣いたのは初めてだというくらい泣きました。
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