「消防士はただのヒーローではない!」
短編ミステリーの名手・長岡弘樹が描く消防士の世界
『傍聞き』が第61回日本推理作家協会賞短編部門受賞、『教場』が「週刊文春ミステリーベスト10」国内部門1位。
短編ミステリーの名手として熱い注目を集めている著者が選んだ新たな主人公は消防士。
和佐見市という架空の町の消防署を舞台に描く傑作ミステリー。
【収録作品】
「石を拾う女」
雨の翌日、消防司令の今垣は川べりを歩く女性と出会う。
「白雲の敗北」
新米の土屋と大杉は“無敗コンビ”だった。
「反省室」
女性レスキュー隊員の志賀野が休暇中に火事を発見。
「灰色の手土産」
家族に手土産を買って帰る後輩の消防士の行動に、今垣は違和感を抱く。
「山羊の童話」
火災から逃げ延びた元消防士は、先輩から現場に呼び出された。
「命の数字」
消防士の父親がトイレに閉じ込められた。彼が助けを呼ぶためにとった行動は?
「救済の枷」
レスキュー講師としてコロンビアを訪れた猪俣は、拉致監禁されてしまう。
「フェイス・コントロール」
現場で消防士に必要なのは笑顔。ぼくはその教えを守れずに……。
「逆縁の午後」
西部分署副所長の吉国は、殉職した息子のお別れの会で思い出を語るのだが……。