中東の国の王子サイード(α)と日本人(Ωフランス人とのハーフ)の泉生の話。
サイードがαとしてまだ未熟で、αフェロモンは出せないしΩフェロモンを感知することもできません。泉生は運命の相手だと思っているので、本当に体当たりで口説いていきます
。すごくポジティブでへこたれない泉生ですが、本当は自分がΩだと分かった時は絶望し葛藤したし、両親が亡くなった時もそれを乗り越えてきちんと自分の足で立ってきた、とても苦労人ですし、弱さを乗り越えてきた子です。ただ明るいだけの子ではないところに好感が持てました!
そして、日本のバース教育の問題点や男Ωの生き辛さなど背景設定と絡めて書いてあり、男性性なのに子供を産める事をすんなり受け入れたわけではないところに人間味を感じました。
サイードも、自分はαとしては欠陥なのかもしれない、とそれを埋めるために国政に力を入れており、決して傲慢ではなく誠実で鷹揚なところがステキでした!
様々な理由があって、結婚はしても番にはしない事、結婚に関しても当初は愛のあるものでなく偽装結婚に近い形であったことなど、真っ直ぐな泉生の気持ちが切なくて可哀想に思う事が多かったです。それでも本人がポジティブなので全く話が暗くなりません(笑)
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