皇帝が8歳皇妃が15歳。
年齢差のある幼い夫婦が10年もの間離れ離れに暮らさなければならなかった境遇と、2人の想いがとても丁寧に書き表されていて読むほどに切なさが募ります。そして、作品全体に登場人物の心情もわかりやすくお話に入り込んでしまい
ました。
会えなかった年月、手紙も交わすことを許されなかった、その10年の長さ。再会した2人がその年月を埋めるように互いの誕生日に贈ることができなかったプレゼントを「16歳のシュザンナに」「17歳のシュザンナに」と、10年たって2人で初めて迎える誕生日の十日前から一つずつシュザンナに渡すアルフレードに泣けた。
ラストも幸せそうな甘えん坊のアルフレードで締められていて終わるのが寂しく思えた。2人の仲を割くように城に送り込まれたザビーネも自分の苦しい立場から、皇帝の力添えもありそれに応えて外交官になる話も良かった。500ページに渡るお話もあっという間に読み終わりました。とてもいい作品でした。
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