※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
東京大学の教養学部学生に対し全学的規模で一般教養セミナーを行なおうという気運が熟し、これを柏極的に受入れた佐々前所長がこの医科学研究所講堂に毎土曜日の午後をあてバスを列ねて聴講にくる学生諸君を相手に第一回ジュニアコース・セミナーを始めたのは、昭和四五年五月のことであったと記憶する。
昭和五一年度の医科研ジュニアコース・セミナーは、別に企画されている医科研大学院セミナーと並行して、十分に討論され企画されたもので、ここに記録されて〝生命と医科学〟として出版される運びとなったのである。(「序」より)
目次
序……山本正
癌と生体……江川滉二
一 はじめに/ニ 免疫現象について/三 免疫機構と癌の発生/四 遺伝的背景について/五・六 略
日本人の癌……関口守正
一 日本の癌と世界の癌との比較/ニ 胃癌について/三 乳癌について/四 おわりに
RNA型癌ウイルス 河井貞明
一 癌ウイルス発見の歴史/ニ C型癌(腫瘍)ウイルスの性状/三 肉腫ウイルスと自血病ウイルス/四 ウイルスの定量法/五―九 略
脱髄病変と癌……大谷杉士
一 狂大病予防接種と実験的脱髄性脳炎/ニ 髄輸の塩基性蛋自と多発性硬化症と癌と/三 略
免疫のしくみ……渡辺貞
一 はじめに/ニ 免疫応答の基本的様式/三 指令説と選択説/四・五 略
免疫反応と抗体蛋白質……中村弘
/一 免疫反応の特異性/ニ 抗体蛋白質/三 抗体の活性特異性と免疫応答の特異性/四―七 略
細菌蛋白毒素とレセプター……加藤巌
一 はじめに/ニ 細菌蛋白毒素の特徴/三 蛋自毒素の構造と細胞膜レセプタ―/四 おわりに
ウイルスの持続感染……渋田博
一 ウイルスとは/ニ 急性ウイルス感染症(通常のウィルス病)/三・四 略
常在細菌はどんなときに病原菌に変貌するか……本間遜
一 Opportunistic pathogen/ニ Opportunistic infection の原因/三 Opportunistic pathogenの病原性/四・五 略
遺伝病と遺伝子治療……岩崎憲太郎
一 はじめに/ニ 遺伝病/三 レッシュ・ナイハン症候群/四・五 略
臓器移植……水野克巳
一 臓器移植とは/ニ 臓器移植の基本法則/三 ヒトの組織適合抗体/四 免疫抑制法/五・六 略
ヒトのフィラリア症対策の課題……田中寛
一 ヒトのフィラリアの種類/ニ 日本におけるフィラリア対策/三―五 略
実験動物――基礎医学を支えるもの……上田雄幹
一 実験動物について……どう考えるか/ニ いわゆる無菌動物……動物の純培養/三・四 おわりに