長年にわたり日本政治の光と影を見つめてきた政治記者が最後に描いたのは、激動を生きた女性政治家の足跡だった。
自民党政権を鋭く批判し、憲法にこだわり、女性の権利を訴え、初の女性委員長として社会党を率いた土井たか子。「マドンナ」ブームによって「山が動いた」と言われたとき、華やかな勝利の裏側で何が起きていたのか。社会党から社民党への再編はどのようにして生じていたのか。そこには旧態依然たる政治の世界に抗い、悩み、もがく一人の人間の姿があった。
野党のあり方が厳しく問われる今こそ振り返るべき昭和・平成の政治史!
第1章 土井たか子社会党委員長の誕生
第2章 「山が動いた」――土井たか子と社会党の躍進
第3章 細川政権と「女性初」の衆院議長
第4章 社会党から社民党へ
第5章 逆風の中で――社民党の苦難
第6章 国民外交としての野党外交
第7章 ある時代の終わり