複雑化する社会課題に対して、政策立案に各分野の高度な専門性が求められている現在、EBPMへの社会的要請はますます高まっている。本書では12の政策分野のエビデンス活用を横断的に比較、その現状と課題を俯瞰的に把握し、そこから得られた示唆をまとめる。
【主要目次】
はじめに
序章 EBPMの課題は何か――SPIからのアプローチ(佐藤、松尾、菊地)
I マクロリスク対応
第1章 気候変動――IPCCと科学的アセスメント(杉山昌広:東京大学未来ビジョン研究センター)
第2章 感染症――緊急時における科学と政治の協働(齋藤智也:国立感染症研究所)
第3章 地震防災――地震被害想定の統合的評価に向けて(平田 直:地震研究所)
第4章 原子力安全――安全規制とその科学的議論(山形浩史:長岡技術科学大学)
II 生活・環境
第5章 化学物質管理――ガイドライン化の追求(永井孝志:農研機構)
第6章 健康・医療――データヘルス政策を事例としたエビデンス活用(古井祐司、井出博生:東京大学未来ビジョン研究センター)
第7章 人口――政策研究の深化と少子化対策の限界(鎌田健司:国立社会保障・人口問題研究所)
第8章 学校教育――データ分析と実践知の活用 (貞広斎子:千葉大学)
III 経済社会基盤
第9章 金融――高度な専門性が支えるFRBの政策(仲田泰祐:東京大学大学院経済学研究科)
第10章 エネルギー――モデル分析とステークホルダーの関与(松尾雄司:立命館アジア太平洋大学)
第11章 インフラ――費用便益分析の有効利用に向けて(河野達仁:東北大学大学院情報科学研究科)
第12章 科学技術・イノベーション(STI)――認識共有と議論を促すエビデンス(佐藤、松尾、菊地)
終章 分野横断的研究からの示唆――多様なエビデンス活用に向けて(佐藤、松尾、菊地)