公爵家に生まれ、双子の美人姉妹として名を馳せていたシルヴィとアネット。
だが、品行方正である姉のシルヴィとは対照的に、
妹のアネットは、他人を見下しては自尊心を満たす裏の顔を持っていた。
「誰もが羨むような相手との婚約がしたい……」
そんな最中、王太子ジェラルドが留学先から帰国したのを知ると、
アネットは我先にと近づき、ついには婚約者の座に納まることに。
友人はおろか、姉の自分すらも見下す愚妹に呆れ果てるシルヴィ。
しかし、ジェラルドがとある誤解をしていたことで、
アネットは窮地に陥ることになり……?
これは、承認欲求をこじらせすぎて転落する妹と、
自らの力で幸せをつかみ取る姉の物語――。