聖女を引退した天涯孤独のウェンディは、侍女の職を得たという認識でバルミール辺境伯家を訪れる。
しかし、そこで待っていたのは当主ディルからの「花嫁」募集であり、4人の幼い弟妹たちからの熱烈な歓迎だった。
自身の勘違いに戸惑うウェンディだが、ディルの誠実さと子供たちの愛らしさに惹かれ、「花嫁候補」として辺境伯家での生活を始めることになる。
しかし、やがてウェンディは、一家が抱える大きな秘密――末娘のミッシェルが、未来を視る特別なギフトの持ち主であることを知る。
さらにディルからは、2年前の戦場で、泥まみれになりながらも懸命に騎士を癒すウェンディの姿に一目惚れしたことを告白され――。
孤独だった元聖女が、愛する人々と共に念願の「幸せな家族」を築いていくハートフルな物語。