あの日、何も言わずに去った男性(ルビ:ひと)が、今、私の息子の前に現れた。
ケイトリンは土地を手放すかどうかの瀬戸際にあった。支援を申し出た老富豪がロンドンから送り込んだのは、彼が目をかけている実業家――ルーク・キルゴア。現れた男を見た瞬間、ケイトリンの時が止まった。それは6年前、妊娠を打ち明ける前に忽然と姿を消した、初恋の人だったから。冷たいまなざしで彼女を見下ろすルーク。ケイトリンは激しく動揺する。裏切られたのは私なのに、なぜ彼は怒っているの?まさか、息子の存在に気づいてしまったの……?
*本書は、ハーレクイン・セレクトから既に配信されている作品のハーレクイン文庫版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。