第二王女のエリーナは、夫となった騎士テオドールとの初夜直前に、突然前世の記憶らしきものを思い出す。
エリーナはわがままで男ぐせが悪く、まともに嫁がせることができないと国王を悩ませるほどの悪女だった。エリーナは戦争で英雄となった騎士テオドールをいたく気に入り、あろうことかテオドールの故郷の村を人質に取る形で無理やり結婚してしまう。
それなのに、いきなり気弱で臆病な別の人格になってしまったエリーナ。
そうとは知らず、エリーナに嫌悪感むきだしのテオドール。
前世で処女だったエリーナは記憶喪失を理由に初夜を避けようとするが、性行為でテオドールの魔力の供給を受けなければ、エリーナが人質に取ったテオドールの故郷に危険が及ぶと言う。一体なんのことかわからないまま「早く済ませろ」と突き放され、怯えて泣き出してしまうエリーナ。
男をとっかえひっかえしていたとは思えない王女エリーナの様子に、テオドールはある提案をするーー。
嫌われ王女に転生した臆病なヒロインと、不器用でお人好しなヒーローのじれったくてエッチなラブロマンス!
作者より
嫌われヒロインといえば、本当は悪いことをしていないのに誤解を受けて……ということも多いかと思いますが、本作の王女は毎日男性をとっかえひっかえ、侍女やメイドを辞めるまでいびる本物のわがまま悪女です。
そんな王女にいきなり転生してしまった臆病なヒロインが自分自身の感覚と、王女の過去の差に戸惑いつつ、少しずつ自分自身の居場所を作っていく様子を見守っていただけますと幸いです。どんなに王女が嫌われていても、ヒーローはヒロインの味方です。
『遊び人の王女に転生した私が、無理やり結婚した英雄の旦那様に溺愛されるまで【完全版】1』には「本編 一.エリーナの罪」~「本編 二十二.切れない縁」(前半)までを収録