万事休す! ナイフを突きつけられ、公爵は言った。「彼女は僕の妻だ」
セアラの父が破産の末に亡くなり、家は没落した。その後は貴婦人の付き添い人としてどうにか生計を立てていたが、夫人が亡くなり、解雇されてしまう。侍女と二人、糊口をしのぐため、セアラは職を求めて船に乗り込んだ。そこで出会ったのは、息をのむほどハンサムな男性、スミス氏。彼に初めて心ときめかせたのも束の間、旅は早々に暗転する――。船長と水夫たちが乗客を襲い、海へ突き落とすという凶行に及んだのだ!船長のピストルがセアラに狙いを定めたとき、スミス氏の力強い声が響いた。「私はシバートン公爵。彼女は私の妻だ」自分たち夫婦の身代金を払うと申し出て、セアラたちは命をつなぐ。その夜から公爵と二人、身代金が届くまでの間、同じ船室に監禁されて!
■Amazonレビューで著者の最高傑作と評される話題作! 『花嫁は絶体絶命』などスリリングな名作で知られる実力派ルイーズ・アレンが描くドキドキの作品です。思わぬ窮地の中、公爵に抱き寄せられ、「公爵夫人のふりを」と囁かれた瞬間、不思議と心が落ち着いて――?