百姓にとって自然は敵か味方か?
戦はなくなったが、百姓は鉄砲を手放さなかった。その謎を解き明かすべく、動物への対応や農耕の営みといった自然と人々との関わりを明らかにする。
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豊臣秀吉の「刀狩り」により、すべての武器が没収され、民衆は武装解除されたといわれている。その後、江戸時代は平和となり、武器は必要とされなくなった。しかし、百姓は取り締まりからのがれて、鉄砲を所持し、使っていた形跡があったのである。生き物への慈愛を謳った綱吉、鷹狩りを復活させた吉宗。度重なる不作の危機のなか、なぜ、百姓は鉄砲を必要としたのか。鳥、猪、鹿などの獣との関わり、農耕の営みなど、百姓が自然といかに向き合ってきたのかを描いた『鉄砲を手放さなかった百姓たち』を、改題増補を加えた一冊。
【目次】
はじめに――鉄砲を手にした百姓
第1章 鉄砲改めの始まり――家綱政権(一六五一~一六八〇)
1 刀狩りの真実
2 将軍と鷹
3 鉄砲改めとは
4 使い続けるために
5 銃規制の原点
第2章 生類憐みのかげに――綱吉政権(一六八〇~一七〇九)
1 見直される生類憐み
2 紙玉の威力
3 殺生厳禁の風潮に染まって
4 憎悪を強める百姓
第3章 復活した鷹場とともに――享保の改革(一七一六~一七四五)
1 鷹将軍・吉宗
2 激減していた鳥
3 大岡忠相の登場
4 関東を鳥の禁猟区にして
5 形式だけの鉄砲管理
第4章 暗躍するアウトロー――大御所時代(一八三七~一八四一)
1 アウトローの出現
2 出まわっていく鉄砲
3 改革組合村が主体となって
4 追認された隠し鉄砲
第5章 上知令とあわせて――天保の改革(一八四一~一八四三)
1 庶民の敵・忠邦
2 事務処理に追われる大目付
3 改革を成功させるために
4 忠邦の改革プラン
終章 鉄砲を選んだ百姓
1 荒廃していた山間部
2 移動していく獣
3 雑木林を拠点に荒らす獣
4 百姓にとって鉄砲とは
おわりに――“武器”から“農具”へ
補論1新たな刀狩り論へ
補論2日本人は銃とどのように向き合ってきたのか――銃社会日本の歴史
文庫版あとがき