平和構築を専門とする著者は、安保法制をめぐる議論の中で「日本国憲法の国際協調主義が瀕死の重傷を負っている」ことを憂慮、日本の憲法学の歴史にその淵源を探りつつ、(集団的)自衛権がわが国でどのように語られてきたかを詳細に追う。第18回(2017年度)読売・吉野作造賞受賞!
日本国憲法には9条と並んで国際協調主義が明確に述べられている。しかしその国際協調主義が、安保法制をめぐる議論が(制定を推進する側も反対する側も)「内向き」の性格を帯びるなかで「瀕死の重傷」を負ってしまった、と著者は嘆く。
憲法典に「集団的自衛権を行使してはならない」と書かれているわけではない。それにもかかわらず違憲だと言う(言われてきた)背景には歴史的経緯や独特の理路があった。本書ではそれを戦後史におけるいくつかの重要な分岐点をたどりつつ詳細に検討する。そしてその背後に日本の憲法学の独特のありかたを見出す。