借財だけを遺された湯屋の弟ですが、湯銭を一銭のまま番台に座りつづけたら、山の兄が月ごとに湯札を二千枚降ろしてよこします(藤白かなた )の注意事項

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ライトノベル
借財だけを遺された湯屋の弟ですが、湯銭を一銭のまま番台に座りつづけたら、山の兄が月ごとに湯札を二千枚降ろしてよこします
1巻配信中

借財だけを遺された湯屋の弟ですが、湯銭を一銭のまま番台に座りつづけたら、山の兄が月ごとに湯札を二千枚降ろしてよこします NEW

830pt/913円(税込)

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作品内容

【この作品は生成AIを使用しています】

柏尾の町の湯屋は、川へ落ちる坂の途中に建っている。町の者は下の湯と呼ぶ。湯は沸かすのではなく、山道を一里半上がったところの湧きから、竹と木を継いだ樋で落ちてくる。継ぎ目は四十いくつある。
樋渡望、二十八。父が死んだ夏に残っていたのは三百二十円の借財だけだった。二十歳で番台に座り、八年、湯銭を一銭のまま据え置いて、年に二十五円ずつ返してきた。一度も遅れていない。都合が悪くなるほど声が明るくなり、詰められると値段と天気の話に逸らす。八年、番台に座ってそれだけを覚えた。
父が死んだ日、樋渡は釜場へ行って、そこにいた男に言った。お前は出たほうがいい。蓮沼継、当時二十七。十七で内弟子に入り、十年その釜場にいた男である。血は繋がっていない。ただ湯屋の中の呼び名として、樋渡は弟で、蓮沼は兄だった。
次の日、蓮沼は父の版木を持って山へ上がり、湯守になった。町から樋の手入れを請け負い、毎年きちんと手間賃を請求し、月に二千枚の湯札を刷って降ろしてくる。隠していることは一つもない。町の全員が知っている。
その手間賃が、九度とも十二円のままだったことに、樋渡は九年気づかなかった。冬から八月の終わりまで。BL時代小説・全10章完結。

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  • 借財だけを遺された湯屋の弟ですが、湯銭を一銭のまま番台に座りつづけたら、山の兄が月ごとに湯札を二千枚降ろしてよこします

    830pt/913円(税込)

    柏尾の町の湯屋は、川へ落ちる坂の途中に建っている。町の者は下の湯と呼ぶ。湯は沸かすのではなく、山道を一里半上がったところの湧きから、竹と木を継いだ樋で落ちてくる。継ぎ目は四十いくつある。
    樋渡望、二十八。父が死んだ夏に残っていたのは三百二十円の借財だけだった。二十歳で番台に座り、八年、湯銭を一銭のまま据え置いて、年に二十五円ずつ返してきた。一度も遅れていない。都合が悪くなるほど声が明るくなり、詰められると値段と天気の話に逸らす。八年、番台に座ってそれだけを覚えた。
    父が死んだ日、樋渡は釜場へ行って、そこにいた男に言った。お前は出たほうがいい。蓮沼継、当時二十七。十七で内弟子に入り、十年その釜場にいた男である。血は繋がっていない。ただ湯屋の中の呼び名として、樋渡は弟で、蓮沼は兄だった。
    次の日、蓮沼は父の版木を持って山へ上がり、湯守になった。町から樋の手入れを請け負い、毎年きちんと手間賃を請求し、月に二千枚の湯札を刷って降ろしてくる。隠していることは一つもない。町の全員が知っている。
    その手間賃が、九度とも十二円のままだったことに、樋渡は九年気づかなかった。冬から八月の終わりまで。BL時代小説・全10章完結。

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