試し読みから続きが気になったので購入しました。異性、同性、表題作の兄妹など、さまざまな関係の2人を焦点に当てた短編集です。7作の読み切り(シーモアの作品紹介では6作と書かれてありますが)と2作の番外編で構成されており、番外編は『(タイトル)
after』とあるので、同タイトルの続き(後日譚)になっています。ただし『夜をとめないで after』は別冊の『夜をとめないで』の後日譚になるので、読まれていない方は目を通すことをおすすめします。
主人公は思春期や反抗期の女の子が多いです。そのほとんどが何かしら大きな悩みを抱えていたり、癖のある子たちです。この時期の子どもたちは何を考えているのか分からない。分かったとしても彼らに真摯に向き合うことができるか……。親の立場でもどのように接したら良いのか分からない難しい時期だと思います。そんな彼らの『想い』を作者のハルミチヒロさんは丁寧に描いています。心理描写が上手です。1つ1つが短いお話ですが、終わり方が上手で後味が悪い話はありません。作画も丁寧で、表紙や扉絵のイラストも綺麗です。
唯一気になったのは、『夜をとめないで after』の掲載についてです。私は本編を読んでいなかったので、当初は何の話なのか全く分かりませんでした。発表時期の関係だと思いますが、別の単行本の後日譚は続き物として、本編が掲載されている方の単行本にまとめてほしかったなと思いました。
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