胸にずきーんと響きました。痛々しい話であったのに、読み終わりは、皆に優しい話だと気付きました。自分を痛めつけることで自分を捨てた母親への恨みをはらしていた真里のところへ生真面目で優しい草鹿が客として現れるところから始まった物語。草鹿は、両親
の意志のままに生きてきた自分を解き放つ事が出来ずにいた。唯一、男性しか愛せない、という事を除いて。真里に執着する常連客もまた心に深い闇を抱えて。呪縛を解き放ち、自分の人生を歩きだすまでが、痛いまでの切ない鋭さで描かれています。読み終えた時の感動を、味わって欲しい作品です。
もっとみる▼