恋人になれても夫になれない男が夫になる覚悟をつけるまでを描いたHQはめちゃくちゃありますが、恋人になる前で夫になる覚悟もないのに、彼女が心配で、それだけ重要な存在で、子供もまるごと大切に扱い、彼女の嘘にとことん付き合う、涙が出るほど出来すぎ
の彼。
ここまで優しくされて、もともと好きな人に、これ以上期待してしまうから、身に余ってしまうから、ヒロイン、身を引こうとする。
世の中、自分の子を身籠ってない身重の女性にここまで親身になれる人はまず居ないだろう。
それだけ、彼は人間力が素晴らしく高い。唯一の問題点、独身主義は、ヒロインを愛してしまっている現実を素直に自覚して瓦解した。
このストーリーは、他のどのストーリーにもないといえるほど、男性の大人な対応が申し分なくて、それだけで、これ読んでこんな男性に出会えて嬉しくなってしまう。二次元だけど。
それに、このシリーズ、ここまで五作品中四作品読んできて今までで一番気に入った。
ヒューマンな彼の魅力は、どの頁をとっても落ちない。ヒロインの前向きな生き方を応援する姿はそのまま、無事生まれますようにと読者のこちらも共に、物語クライマックスまで気持ちを引っ張り込まされる。
彼がヒロインへの愛情を確信する描写はジーンと来るものがある。
本作はシリーズ中相対的にこれまで高評価がついていた方ではないが、出産を身近に引き寄せることを通して、彼の優しさのものすごさを味わえて、私的には、男性の愛情として、評価最高の部類なのではないか?
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