そんなアオリに釣られ、手に取ったこの作品は正に"あの頃の青春"とも言うべき物語である。
正確には30代中頃〜後半あたりがドンピシャといったところだろう。
1990年代後期のネタがふんだんに盛り込まれており、わかる人には愛しさと切なさと心
強さが込み上げてくること請け合いである。
アムラーにVHS、CCサクラにバハムートラグーンなど、当時を彷彿とさせる小道具の多さと、まるでタイムスリップでもしたかのような感覚に襲われるほど秀逸な舞台装置の数々。
そして特筆すべきは、それらを脇に追いやるほどに上質な青春ラブコメ。
繰り返そう。
――この物語を、すべての30代に捧ぐ――
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