外科医エリーゼ 7

値段が高いのと、恋愛面の進みはかなり遅いのが難点ですが、ストーリーはとても面白いです。
1度目の人生で悪役令嬢のようだった主人公が、2度目の人生では地球に転生し外科医として活躍、その後更に3度目の人生が待っていた…正確には、1度目の人生でバッドエンドを迎えたはずの人生のやり直しが始まった、という感じです。

ワガママ放題の小娘から一転、30年分の地球での人生を経験し知識を得たエリーゼは、人が変わったかのように良い子、かつ驚くほど賢くなり、周りの反応がとても面白いです。
未来を知ってるだけでなく、医者としての豊富な知識で次々と人を救っていく姿が凄いです。
タイトルに外科医と入れるだけあって、一見よくある転生ファンタジーのように思えますが、この物語はがっつり医者としてのお仕事がメインのシナリオだなと思います。

位の高いお嬢様として生まれ、皇太子殿下との婚約も決まっており、何か問題を起こさない限りは順風満帆に見える彼女のレールを敷かれたような人生でしたが、あえてその道から外れることを望み、確実に医者として頭角を現していく彼女に目が釘付けになります。

逆に1回目の人生は何がどうなってバッドエンドを迎えたのか知りたいです…処刑されるほど何をやらかす子だったのだか…。
あの頃は子供だったとはいえ、中身は同じなのですから、賢いことには変わりなかったと思うんですけどね。
盲目的に殿下が好きで狂ってたのでしょうか。
そんな殿下の真意も気になるところ。前世のときから、エリーゼに全く気がなかったわけではないでしょうし。回想を見る限り幼なじみみたいですしね。

現在のエリーゼが魅力的すぎて、周りの人もそうだし、殿下ももう落ちているような感じが、意外とチョロい？と思ってしまいました(笑)

果たして結ばれることはできるのか。
陛下もエリーゼを手放す気は無いようですが、天才的な手術が露見してしまった以上、医学界も彼女をほっとかないでしょうし。
彼女ほどの天才医師をただの皇后に納めてどーする！ってなっちゃうでしょう。引っ張りだこで素晴らしいエリーゼ。

最終的に、エリーゼが陛下と殿下の主治医になるのが1番やん！と思いますが、結婚したとして皇后と兼任だなんてそう上手くいくのか…色々と気になる問題が山積みですね。
だからこそどうなっていくのか、続きが楽しみです。

1巻無料キャンペーンで出会い、美しい作画と読みやすいストーリーにハマり、気付けば全巻買ってました。
ありきたりな転生もの…と思いきや、転生する前の世での自らの過ちを反省した主人公が、二度の転生を経て、転生前の人生をやり直すループものの要素も少しあります。
一度全く違う人生を挟んでいることによって、他者や物事との向き合い方にも変化が生まれており、前世での経験や知識を活かして問題を解決する姿にはスカッとさせられます。「次はどうやって問題を解決するのか？」と続きが気になってどんどん読み進めてしまいました。
ただ、得意分野意外…特に恋愛に関しては慎重で奥手なため、そのギャップが焦ったくも愛しいので応援したくなる主人公です。
また、全編フルカラーには驚きました。まるで画集や絵本のような美麗さです。(世界観の性質上)男性キャラクターが多く登場しますが、モブキャラクターも丁寧に描かれているが故に時々見分けがつきにくいと感じる時もありますが、総合的にみても金額に見合った満足のできる内容だと感じました。