狼への嫁入り～異種婚姻譚～【特典付】

３巻まで読み進んで、あたらめて作家さんのすばらしさに感嘆し、評価を４から５にあげました。巻を追うごとに素晴らしさが増したと思います。この作品は１巻だけで見切っては惜しい。

いわゆるエロ目当ての娯楽作品としてのBLとしては物足りなさを感じる人もいると思うのですが、もっと深いテーマ、ASD的な狼君の人の心が理解できないことの苦しさや孤独と悩み、それを明るく受け入れいつでも元気よく支えてくれる兎くんという伴侶を経て、徐々に見える世界が変わっていき、自分と社会との関係性に絆を結びなおしていき、世界と和解していく様子が描かれます。これは恋愛よりもっと深いテーマを扱った作品だと思います。

以前１巻で低評価だった方にも、ぜひ全巻読んで再評価いただきたいと思います。

↓以下1巻読了時点での感想です
BL作品として、とても良品なことももちろんなのですが、
絵の表現が大変素晴らしく、大変新しく、作家性のある作画を特に絶賛したいです。
独特のファンタジーの風俗や街の描かれ方も創作性に満ちていて
物語を大変彩豊かに、背景で演出してくれているのですが
それだけでなく、テンポの作り方、間合いの取り方、光の表現など
とても映像作品的に優れているところにとても感嘆しました。
ものすごい作画力のある作家さんだと思います。
一般向け王道ストーリーを扱ったら、とてもメジャーな作品を生み出せる力のある作家さんだと感じました。良い編集さんとレーベルに出会えたら、大化けする可能性があると思います。今後にも注目したいです。

犬居葉菜さん初めてで、レビューで気になって買ってみました。狼族のレンと兎族の楓の話で、ファンタジーなのに設定が作り込まれててあっという間に犬居さんの世界の中に引き込まれてしまった！説明的な台詞は少なくて、展開と絵で見せてくる、そして説得力のある画力、圧倒された。あとがきに人物設定を載せてくれてて、それを見ても作者さんの意気込みと愛が感じられて、また素晴らしい作品に出会った…と幸せを噛み締めてます。この、思いがけない出会いが与えてくれる幸せ…これがあるからBL読むのやめられないです。
本作、兎の楓が可愛くて性格も良いので好きになっちゃうけど、攻めのレンの設定がまた今までにほんとなくて独特で、これも好きになっちゃう。2人を大好きになっちゃって、これはもう何度も読むやつ。抗えない運命の中で手を取り合って生きていく2人、ううー好きー！冷静にレビュー書こうと思ってたのにダメだ…胸がいっぱいになって…面白かったなあ…。切ないとかキュンとかそういう甘さはなくて、どっしりずっしり体中で世界を感じる凄い体験だったわ！実は、番外編1は読んだけど、2は怖くて読めてません…読むべき…？ホラー苦手なんだよなー。悩む。
エチのために1ヶ月お尻を慣らす行事？や、婚姻の儀式や、色々な文化的なものも見てて面白かったな〜。1ヶ月慣らすのかあ、大抵ちょっと慣らしてすぐ入れちゃうけど、1ヶ月かあ、実際ってどうなんだろうなあ。