ヒロインミリアムが取り越し苦労で自滅する前に ヒーロージェイが引き上げてくれた物語でした。素敵な彼に恋をした。けれど、素敵だから言い寄る女性は後を絶たない。そんな不安と戦う苦悩と、生活環境のギャップの苦悩から彼女は逃げた。読み進めるごとに
ミリアムの不安に私も同調し胸苦しい。そこへジェイの饒舌さが追い打ちをかける。彼は、緊張すると攻撃的になると自覚している のなら、少し口を閉じていてもらいたいところだが、離れていた10か月間の彼の後悔と、寂しさを想うと その状況に納得してしまう。溢れんばかりのミリアムの物思いは有るのだが、ジェイの単身カットのコマが無く、「情熱」効果は低め。けれど、浮気は誤解だというところだけを拘っているわけではなく 2人の生活の再構築を礎に進めていく展開に 彼の賢さを知るところではある。一途に彼女を愛し 彼女を取り戻したいという姿勢には、お腹の底から ムズムズとした期待感がこみ上げてくる。ミリアム自身の欠点に 彼女は省みず、反面教師としている母の真実も知ろうとしていない事には 驚いたが(物語上知っているとばかり思っていた)そこを盲点として解決をみた。姑息な女ジリアンの件も解決をみたし、読み応えのあるものだった。
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