青海先生はTL誌に連載されてましたよね? 本作制作期間被り、親の虐タイ被りで。
HQは綺麗に進み結末で迎える平穏という、安定品質がいい。
ヒロインの境遇が不幸過ぎというHQのお得意設定。HQ小説の方は一般にお約束的にベッドシーンの比重が
高いが、コミックで多いと他の場面に紙幅が足りず支障出る。
踏み留まっていたのが、堰が切って溢れ出す、というときの、相手の魅力に「負けた」場面をもっと味わいたかった。
小娘の挑発に乗ったという最悪の解釈を第三者にさせないように、そこそこ体裁が必要ではないのか。更正プログラムの制度を揺るがせてしまわないかな。そこが弱い気はする。制作4年越しついでに場面接続の置いてきぼり回避策を。肝心な117頁に素敵さ欲しい。
家族と英国社会とから距離を置いていた彼が、英国での力を人脈動員で害悪虫徹底駆除。彼のサポートでこれからはヒロイン枕を高くして眠れる。このくだりに使われる和平の使いというか、役駒の自演が効いてる。「私のせいでお母さんと疎遠になったらあなたを許さないわよ」がリンクして巧みに話が締まる。この辺りは途中経過がはしょられているから、駆け足進行だとして不満を抱く人も出るのかもしれない。しかし私は、ロマンスは、陥落前後の方が、黒雲処理よりも好きな体質なものだから、頁数制約の下、いずれかしか優先できないのであれば、転回後の詳細は不要派。
25頁「ひとめみただけじゃわからなかったわ」の、「じゃ」は前の行に納めるべきだったかと。
追記ー当初3星にしたのは話が滑らかに繋がらないと感じたからだったが、再読再再読で場面展開への唐突感解消。 4星へ上方調整。
追記2:
「本国」という語には、ルビがイギリスと付いていた箇所があり、イギリス系アルゼンチン居住者との認識で読み進めていた。終盤で本国の語の横に、アルゼンチンとのルビあり、一貫していない。
「本国住み」の表現がピンと来ない。「アルゼンチン住みのイギリス人名士」の説明色を付けるか、「英国出身のアルゼンチンにおける名士」とすべきなのではないのか。
もっと蛇足を記すと、若干制作が重複していると見えるTLの方を断って、こっちに比重を置く方が先生の作品ポートフォリオが断然良くなるのでは、と思う。TLレビューで「古い」と書かれているが、古さを評価基準にしない私の目には、消耗品扱いされないHQを先生はメインフィールドにしたらと思う。
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