絵が苦手かもしれない。なんか暗そうなお話な気がする。入り込めるだろうか…。読む前の私の頭の中です。
絵?好きです!アメコミ風というかポップアート風というか、正統派ではないですが間違いなく画力のある先生。目や手に色気がある絵で、映画のような
ストーリーにマッチしています。どうして苦手かもと思ったんだろう?読了後の私の頭の中です。
余談ですが、座裏屋先生の絵も読む前苦手かも→読了後、すごく好き!に印象が変わったんですよね、私。クセが強い絵は一旦好きになるとクセになりますよね。
暗いお話なわけでもなく、ストーリー展開の合間合間にサブストーリーの伏線や、登場人物の色々な感情の伏線がチラチラ見え隠れするので、知らず知らず物語に引き込まれます。
帽子職人の沓名がリョウという青年を拾うところから物語が始まります。この青年を拾うくだりはBLあるあるな感じ(笑)ではあるのですが、お話が面白いのですぐ気にならなくなります。沓名さんもリョウくんも、まーカッコいい男性で。すごく魅力的。お互いがお互いに惹かれるのがよく分かりますし、説得力があります。
キャラクターだけでなく、ストーリーも絵もタイトルも物語の構成要素全体がオシャレ。
というか、帽子職人って。何そのオシャレな職業設定。BL作品数あれど、珍しいと思いませんか。
これまた帽子屋さん設定がしっかり活かされているというか、そうでなくてはならないお話になってるのがもう…脱帽。(帽子屋だけに)
とはいえ、こちらはまだ物語のプロローグ。この作品を読んだだけでは『?』な方も多いかと。本作品は続編のDear Hatterまでがセットで必読です。そこまで読んで初めて物語が完成します。Hatterはさらに良いですよー。
ちなみに本作品でのBL展開は匂わせくらいです。直接的なシーンも、あからさまな感情の認識すらないくらい。なのに、キャラクターの感情が目に、手に現れていて、どうなるの?どうなるの?とドキドキさせられました。気持ちの逡巡が伝わってくるというか…。2人の関係がどうなっていくのか気になりすぎて、続編迷わず購入でした。
ストーリー重視の方におすすめ。表題作のみ219ページ。
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