この手の作品によくある導入と展開ではあるが、手早く済ませずに1巻全てを使って丹念に描いているところがよい。
当然ながら話の流れはご都合主義的ではあるものの、なるべく不自然さを消した点や、そこに至るまでの主人公の心情は、漫画を小説化しよ
うと試みる場合にいかに完成度が高いかを知らしめてくれる。
行為に至ってからは非常に内容が濃密で、常識を逸脱しない程度にできうる限りのシチュエーションプレイを楽しむことができる。
何より漫画のタッチが繊細で、細部に至るまで絵を描き切っている。
更にコマ割りを大胆に使う事で、時間が経過している事を読者に読ませてくる。
肝心な「抜けるか」という点では微妙なところだが、読後感がよく、また読みたいと思える作品である
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