漫画『ブラックジャック』が面白いのは、作者の手塚治虫が医学に精通してて、作品に厚みがあるからだ。
もしブラックジャックの施療が全て『魔法』とかいう(作者にとって)都合のいい方法で片付けられたら、どうだ。
これは、そういうレベルの
話。
まずそもそも、“天才外科医”とかタイトルつけておいて、作者が“天才キャラ”を作れるだけの知能的な地力がない。
“外科医”を描写するだけの医学知識もない。
作者の知能を超えるキャラは作れないんだから、身の丈にあった登場人物を出して物語を作るべき。
料理を作ったことがない人が、『超絶上手い料理屋のコックの物語』を描こうとするようなもの。
別に作品の良し悪しに作者の料理の腕が絶対に必要ではないが、「ボクの考えたらさいきょうの料理人」が、魅力的なキャラになるわけが無い。
ましてや、料理の“切る、焼く、盛り付ける”なんで工程を全て“魔法”で片付け完成品を出すだけの暴挙に出る作品。
何がしたいのか意味がわからない。
テーマと演出したい事柄があるなら、いくら創作ファンタジーとはいえ相応の世界観と理屈の筋は通すべき。
それにはまず、作者がテーマの基礎的な知識を身につけるところから始めよう。
これは、全てにおいて足りない作品である。
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