まず、手札を見せる順番というか構成が上手いなと。
出会ったばかりの即席父子(?)が、亡くした母親の遺したものを辿る中で親子としての関係性を深めていく話。事件性ありきの因縁深いドラマチックな山場も待っています。
親の愛に飢えた少年、一途な
主人公の深い想いと生い立ち、過去の後悔、ヒロインが負った傷や心情、加害者との対峙など、思いを馳せる先がいくつもあり、たった2冊の間に何度か泣かされました。感情の忙しい作品です。買って良かった。
温かく納得のラストでしたが、欲を言えばもう少し見たい。「この親子のアフターストーリーを外伝でやってくれないでしょうか?」不慣れな父役に悪戦苦闘する子煩悩な主人公と、ツンデレ少年がファザコン化していく幸せが見たい。何とぞ宜しくお願いします。
ただモヤモヤがひとつ。レシピエントに限らず臓器提供者の情報は一切公開されないものという認識なのですが…その辺りどうなっていたんだろう。
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