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何もしてないのに壊れた
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何もしてないのに壊れた NEW

350pt/385円(税込)

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作品内容

三十路前、芸人としての道は晩成しそうにない。売れないピン芸人、一文(かずふみ)は、養成所で出会った年下の同期、大倉(おおくら)の才能に魅せられるもコンビを組むことは叶わず、自堕落にウケないネタで舞台に立つ日々を過ごしていた。そんなある日思いついたのは、大倉に選ばれた癖に足を引っ張ってばかりいる相方、あたるを辞めさせ、自分が大倉の相棒になるという作戦。打たれ弱くネタをとちってばかりのあたるを詰るも何故か懐かれてしまい…。

誰よりも笑いを取る、賞レースを勝ち抜く、舞台に立ち続ける。笑いか才能か隣に立つ相方か。“何か”に執着した芸人たちの狭間で少しずつ壊れて行く幸福のカタチ。鬼才、時羽兼成が描く、歪な三角関係の行先は――。

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  • 何もしてないのに壊れた

    350pt/385円(税込)

    三十路前、芸人としての道は晩成しそうにない。売れないピン芸人、一文(かずふみ)は、養成所で出会った年下の同期、大倉(おおくら)の才能に魅せられるもコンビを組むことは叶わず、自堕落にウケないネタで舞台に立つ日々を過ごしていた。そんなある日思いついたのは、大倉に選ばれた癖に足を引っ張ってばかりいる相方、あたるを辞めさせ、自分が大倉の相棒になるという作戦。打たれ弱くネタをとちってばかりのあたるを詰るも何故か懐かれてしまい…。

    誰よりも笑いを取る、賞レースを勝ち抜く、舞台に立ち続ける。笑いか才能か隣に立つ相方か。“何か”に執着した芸人たちの狭間で少しずつ壊れて行く幸福のカタチ。鬼才、時羽兼成が描く、歪な三角関係の行先は――。

レビュー

何もしてないのに壊れたのレビュー

平均評価:4.8 4件のレビューをみる

最新のレビュー

  • (5.0) 穴の開いた風船のよう
    うめやまさん 投稿日:2024/5/1
    【このレビューはネタバレを含みます】 タイトル、本当に最初は「何が?」なんですが読み終えると「辛すぎる」タイトルに変わってるんですよ。 これは、受けや攻め…というかタチネコが決まらぬまま崩れるお話です。まるでジェンガですよ。バランス崩すと崩壊する。大人3人、純粋な気持ちに嫉妬が絡んだことで砂の城にかかる雨水の如く、キャパを越えたら呆気なく砂の城が崩れちゃうんですよ。我々はその様を見守る保護者の立場なのです。作った子どもは悲しみと怒りと少しの興奮で泣き暴れ、我々保護者は何がダメだったのか、仕方がないことだと解くも当の本人は「完璧だったのに」と幼心ながらに真剣な顔で、涙をボロボロ流して声を上げて泣き続けるのです。 何がダメなのかわかっている大人は、子どもの何がダメだったのか無情に告げるも彼らの気持ちが切り替わるまで泣かせてあげるしか手立ては無いのです。 辛い。 辛すぎるよ… タイトル、何もしてないのに壊れたは、誰の立場から見た時点だろう。 3人の三者三様の一方通行。一文→大倉、大倉→あたる、あたる→一文。一文は大倉の、才能からくる羨望とお笑いへの真剣さ。大倉はあたるへの愛欲と。あたるは一文へのお笑いへの真剣さと羨望を。地獄のトライアングルは「嫉妬」と「焦り」によって見事に終わりを迎えるんだけど、「嫉妬」や「焦り」の時点でもう始まってるし、その「焦り」が本質を見れてなくて壊しちゃったんだよ。 いくらお笑いに才能があったって、所詮は人間だもの…いま、大倉とあたるは何をしてるんだろう。大倉は自暴自棄になって手当たり次第、食い散らかして痛い目みてる所で逆にあたるにお世話されてて欲しいな… こういった、崩壊して終る商業BL、滅多にないから増えて欲しいな…BLといえばハッピーエンドかもだけど、今この世界にいる男たちの現実を見たいので…よろしくお願いします…書いて世に出してくださった先生、編集部、担当さんありがとうございました!! 続きを読む▼

高評価レビュー

  • (5.0) 唐突に哀しみが襲った……。
    *****さん 投稿日:2024/4/27
    【このレビューはネタバレを含みます】 もしかしたら、この作品は合う人と合わない人がいると思う。沢山BLを読んできた読者でも、所謂読み慣れたBL作品とはきっと違う。 たまにこんな取り憑かれてしまうような読後感に触れる作品があって、唐突な虚しさと哀しみに襲われるが、心のどこかで、「あぁまた出会えた」と思う自分もいる。 売れないピン芸人の一文(かずふみ)は年下の同期・大倉に惹かれるも、彼には相方のあたるがいて。冴えないあたるではなく、自分がその場所にいたなら、大倉はもっと上に行けるのに…という想いから始まる物語。同じく漫才コンビを描いた「コメディアンブルー」とは全く違う切り口で「相方」の在り方に光を当てている。 生きていても大概のことはそんなに上手くはいかない。だから、一瞬のときめきを心の拠り所に、いつまでも捨てられないお守りのように、大切にしているだけなのに、どうしてかこんなにもうまくいかない。 一文のたった一つの願い。それが純粋な理由ではなかったとしても、誰がそれを咎められようか。 きっと幸せになりたかったわけでも、頂点を願ったわけでもない。お守りを大切にしたかっただけ。 「何もしてない」わけじゃない。けれど少しずつ何かが違ってしまった。たった一つの願いなら、壊れたとしても、一文は素直に大倉に伝えるべきだったんだろう。 けれど、苦い。これはとても苦くて。 後半の見開きは映画のよう。降り積もる後悔は消えることがない。雪が全てをかき消していくのに、また独り、思い出の中に取り残されていく一文に、ラストの言葉に、私も立ち去れないでいる。 *雑誌購入時のみシーモア限定特典(1頁)は、先生から裏話的な一言。大倉くんのボードの絵はそういうこと?いや…そうかなとは思ってたけど、見たかった。(全80頁) 続きを読む▼
  • (5.0) 静かにズシンとくる
    通りすがりさん 投稿日:2024/4/27
    【このレビューはネタバレを含みます】 表紙もタイトルも不穏ですがこの予感のまま最後まで駆け抜けます。 ですがとても読み応えがあり、時羽兼成先生の圧倒的な筆力でこのモヤモヤ〜っとした三角関係を大ボリュームで描き切ってくださった感動に思わずスタンディングオベーション。 読み終わって表紙をもう一度見返すと「噛み合わない」点が少しずつ重なり、次第に音を立てて崩れゆく人間関係の脆さや儚さを象徴した素晴らしいイラストすぎて2度拍手です。 私はあまり芸人さんに明るくないのですが、日頃彼らは競争心、承認欲求、妬み、嫉み、愛憎、羨望、様々な感情を昇華して華やかな表舞台に立っているんだろうなと考えさせられました。 一方で彼ら3人の歪な人間関係はとことんリアルでもあり、身につまされます。ふとしたボタンの掛け違えが引き起こすバタフライエフェクトだなと。 宇宙少年の二人がこの後どうなったのか、気になって夜も眠れません。 続きを読む▼
  • (4.0) 始まってない恋物語に終止符を打つ。
    Ygazaki Meronさん 投稿日:2024/4/27
    漫才コンビであるあたるくんと大倉くん、そしてピンの芸人の一文。それらの三角関係(?)にスポットライトが当たってるが、ちょっと思っていたのと違った。今回は私的には消化不良のモヤモヤが残るエンドだったので星一個抜きます。 淡々と崩れゆく様がタ イトルとマッチしてると感じました。 好き(一人除く)が交差していい感じで絡みあってるのに意外と一押しで崩れるものですね。逆に悪意のある言葉でさえとらえ方次第でだれかの都合のいい風にことが運ぶこともあるんだなと登場人物を見て思いました。 あと、無言の圧力で畳み掛けてくる大倉くんがちょっと怖いとも感じた。まあそこが彼の執着が見てとれる所だからいいんだけど。執着って周りにもよくわかる方と当事者にしか分からない物ってありますよね。 あたるくん好きだなー。この子いなかったら拗れないし、いなかったらことが運ばないから。 80ページと大ボリュームだがエロはほぼない(Fェラのみ)。本当に淡々と終わりに進むから。ストーリの終わり近くで壊れるオマージュ的なオブジェクトがなければまだ淡々と続いてしまうだろうと錯覚するくらいには。 もっとみる▼

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